大石 久和いま見直される、ラジオが持つ特別な力
新保 ありがとうございます！ ラジオの番組が話題に出たところで、ぜひお聞きしたいことがあるんです。テレビが主流だった時代からネットに移行していく中で、一時期はラジオの存在そのものが問われる事態になりつつあったかと思います。しかし今、ラジオの持つ力というものが再認識されつつあるように思うんですね。そのあたり、どのようにお考えでしょうか。
大石 おっしゃる通りかもしれませんね。私も、生活の中でラジオを聴くというのは、これまで車を運転しているとき以外はほとんどなかったのですが、新保さんと今回『大石久和のラジオ国土学入門』という番組をご一緒させていただいたこともあって、ラジオを聴く機会が増えたんです。ラジオは目で画像を追わず耳で集中するものですから、結構、集中的に情報が入ってくるんですね。「やっぱりラジオというものはなかなかいいものだなと」あらためて感じました。情報がしっかりと入ってきますからね。新保さんは、我々の番組について、どうお感じですか。
新保 これまでのお話でもそうですが、経済、社会、国土学など、大石さんは本当にわかりやすく情報を伝えてくださるんですよ。つまり、わからない人の気持ちをわかって解説してくださるんですね。そして、先ほどのラジオの果たす役割についてですが、私の中では“共感のメディア”だと思っているんです。
大石 なるほど。
新保 私自身、在宅勤務を続ける中で、情報を得たいと思ってテレビをつけても、大事な情報がたくさん入ってくると同時に、どうしても一方的に感じる時もあるんです。対して、ラジオですと「ほかのリスナー方も実は同じように思っているんじゃないかな？」と思わせてくれるところがあって、ふっと心が休まったりするんです。ですから、そんな心休まるメディアで、番組では引き続き大石さんによき先生になっていただきたいと思っています。
大石 いえいえ。
新保 私は『大石久和のラジオ国土学入門』では完全に生徒ですから、聴いてくださっている方の代弁者みたいなところを担っていけたらと思っているんです。といっても私が不勉強で、物を知らないところがたくさんあるだけなのですが……。ただ、そこで大石さんにいろんなことを伺って「みんなで新しいことを学んでいきましょう」というところが、番組の基本的なスタイルになってきていると感じています。たぶん『国土学入門』って聞くと「いったいどんな学問なんだろう？」っていうある種の堅さを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、聴いてくださっているリスナーの方々からは「すごくわかりやすい！」というお言葉をたくさんいただいているんです。
大石 そうなんですね。それは嬉しいですね。
新保 はい。ですから、一緒に日本のいいところ、あるいは世界のことを学びつつ、一緒に成長していける番組だと私は思っています。『大石久和のラジオ国土学入門』をこれからもぜひよろしくお願いします。そして大石さん、今日は本当にありがとうございました！
大石 こちらこそ、ありがとうございました。それではみなさん、また『大石久和のラジオ国土学入門』でお会いしましょう。
大石 久和(おおいし ひさかず)
1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振った。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。 ※『ニッポン放送』HPより転載
『フリーアナウンサー・新保友映の「あの人に会いたい！」』は次回６/18(木)更新予定です、お楽しみに。
所属：B-creative agency (http://bca-inc.jp/)
出演：『大石久和のラジオ国土学入門』(ニッポン放送) https://www.1242.com/kokudogaku/
